2019年10月11日

ガウディの建築を回る一日。グエル公園、サグラダファミリア、コロニアグエル教会である。サグラダファミリアは、地上階はほぼ開放されている。あといくつの尖塔が出来上がるのだろう、まだ屋根の上ではメインの尖塔すら建設途上であるにもかかわらず、多くのツーリストが訪れる。あらためて、建設の続くこの建物の状況に感動する。竣工後から価値が目減りする日本のあらゆる建物との違いに、である。一方でもはやこれは最新技術を導入した現代建築である点が気にかかる。ガウディの構想を現代技術で実現することに対して。また、基礎構造についても文献調査をしてみよう。増築されていく上部構造に対してどのようなジャッジがされているのか。伊藤先生と別れ、2人郊外のコロニアグエル教会へ、グエル共同体(街)についても見ごたえがあり、3時間ほど滞在。教会はサグラダファミリアとは異なり、労働者のための教会である。紡績工場で排出される高炉スラグや石炭、そのほか石材を仕上げや構造体に用いており、自然石を構造体で使うことの技術的な難易度についても思いをはせる。また、下部クリプトのみの状態で建設停止となっているものの、適切な改修デザインがされていることがうかがえた。いずれにしても教会はコロニー(共同体(街))の中の数多ある建物のうちの一つの施設にすぎない。ガウディのほかにも建築家が起用され多様な建物が現存しており、見ごたえのある街が作られていた。