• 2021年8月1日

    2021年8月23日

    ASDO(東京構造設計事務所協会)の理事を拝命した。いろいろと思うところがあるが、専業構造設計事務所が元気に社会で活動できる一助となるよう努力したい。ここで全国の着工件数ベースでカウントすると、専業構造設計事務所がかかわる比率はどの程度であろうか。ましてや大規模事務所(構造部門含む)の下請けとなっている比率は相当な割合になるだろう。そもそも建築設計事務所からの再委託業務という扱いが一般であるから、どの程度の割合になるか。ASDOの加盟数は180程度、そのうち正会員は約80人である。ある建築家によると、戸建て住宅着工件数における、「建築家」関与プロジェクトの比率はおよそ5%であるそうだ。ここで皆しのぎを削っているとは、きわめて井の中の蛙である。専業構造設計事務所の関与比率もいずれ把握しよう。

  • 2021月7月1日

    2021年7月1日

    弊社の名刺はグラフィックデザイナーの木村さんに依頼している。建築家の結城さんの名刺のデザインを拝見して、このデザインで新事務所の名刺を作りたい、紹介してください!と結城さんにお願いし、木村さんに快諾いただいた。わたしたちが提示したのは、弊社のメインメッセージと必要な名刺情報だけであった。文字レイアウトには黄金比や木村さんの感覚で、その一文字一文字(1単語ごとでなく!)の「余白」が丁寧にデザインされている。ともすれば、文字しか配置されていないので、既製のイラストソフトで、文書ソフトで真似ものはわたしたちでも作れる。しかし、デザインされた余白により美しく、認識しやすい情報が配置され、デザインの恩恵を感じるのである。一昨年の年賀状には、Times New Romanフォントのオリジンともいう、石板をイタリアのある地で紙で鉛筆トレースされたことが書いてあったっけ。木村さんは、文字のプロフェッショナルである。木村さんのデザインに出会えた縁に感謝。

  • 2021年6月1日

    2021年6月2日

    銀座でのプロジェクトがようやく次のフェイズへ進んだ。地上12階の上階4層を木造純ラーメン(+鉄骨造)として計画する建物では日本初の架構だろう。ガワの部分を木造として、アンコの部分をRCやSとして、おそらく主たる耐震要素を後者として実現している、木造を謳っているプロジェクトは散見するが、本気の木造ラーメン架構は、という意である。地上56mプラス工作物で総高さは66mである。塔状比は7を超える。確認申請によるフローを採用しているため、普及性があると認識している。許認可に長らく時間を割いてしまった。待っていただいたクライアントと関係者に感謝しかない。

  • 2021年4月1日

    2021年4月5日

    あたらしいスタッフを迎え、私を入れて5人体制でスタートを切った。エンジニアとして一歩を踏み出したころを思い出すと、先輩や周りの人への気遣いなどなく、何のスキルもないのに自分の思いだけを宣言して、乱暴なスタッフだった。そんな私を、咎めることなく置いてくれた環境は今ではありがたく感じる。そんなスタッフは見たことないが、出会ってみたい気もする。自分の子供が成長していくにつれ、子供は親の思うようにはならないことを痛感している。彼らの重心を見極め、私はそっとベクトルを与えてお互い良い仕事ができれば。

  • 2021年3月1日

    2021年3月3日

    構造エンジニア業界の求人状況をSNSや求人サイトに見るに、小規模事務所が新規人材の獲得を広く募集しているのが分かる。大きなプロジェクトも小さなプロジェクトも社会が欲していることの証左だと思う。半年前の人材募集期間では、構造経験新卒学生にこちらからアプローチをすることはあっても、先方からアプローチしてくれる機会はなかった。まだShiSEの活動の社会的な位置づけができていない。いろいろなエンジニアリングへのチャレンジはできても、それだけでは若い人材は参加してくれないだろう。しかし、小規模事務所の人材獲得問題は今に始まったことではなくて、ASDOの歴史を見るに、その設立端緒がその問題だったことが分かる。集まっていることで何か小さな慣性力を作り出したい。

  • 2021年2月1日

    2021年2月1日

    建設業界は設計、施工とも現状は忙しい時期が続いているようだ。地盤調査会社の話によると、春先にステイとなったプロジェクトがリスタートしており、調査依頼も増えている。オリンピックも観客数を制限してやる方向か、アメリカ、アメリカ放送利権のジャッジによるのであろう。各競技のオリンピック代表選考進捗はどうなっているのだろう。練習も、選考大会の実施もままならない。数少ない競技会をもとにしたワールドランキングなどからオートマティックに先行されるほかないのか。すくなくとも日本の競技団体は合理的な選考体制が組めていないだろうから、また選考過程において紛糾することになる。選手の安全と競技力の確保がなされることを願う。

  • 2021年1月1日

    2021年1月2日

    昨年末に2人、4月から1人の新しいメンバーを迎え、新しい体制元年である。すくなくとも3年はオフィスの脚力を鍛える期間と位置付けよう。 経歴も国籍も異なるスタッフそれぞれの重心を見極め、かつ、デザインクオリティを確保する。 スタッフの通勤リスクを考えると、テレワークを再びメインに据える他ない。マニラとは日々のレポートと、Zoomミーティングを平行することで何とかデザインクオリティを確保できていると感じる。それは、各スタッフのレポートスキルによるところが大きい。マニラと東京と埼玉とプロジェクトフローの共有が必須。 昨年来、プロジェクトを誌面発表する機会を頂いているので、それに乗じて各プロジェクトをしっかりまとめることができる。英語化し本HPにもアップしていく。  

  • 2020年12月1月

    2020年12月1日

    鉄骨業界紙の鉄鋼技術12月号に山路事務所と協働した、恵比寿の家が掲載される。およそ10年ぶりの論文?である。建築家、構造家とファブのご担当者で執筆させていただいた。10年前はTIS時代の前任者の後を引き継いで、「スチールは耐震改修のトップランナー」として江戸期寺院の耐震改修についの論文であった。いずれも、エンジニアが共感、工夫が準用できるような読み応えのあるものを目指した。横浜国大建築学科の四講座(鉄骨構造)の出身である清水は、なにか故郷に錦を飾れた気持ちがして晴れがましい。編集部からはまた依頼を頂けそうで何よりである。いつでも発表できるような提案をしていこう。

  • 2020年11月1日

    2020年11月1日

    11月に入り、スタッフも入れ替わり心機一転となる。構造設計業界は、Covid19の影響も確かにあるが、それに隠れて消費税の影響が少なくないという見方が一般的である。やはり10%というのは大きいのだ。今年3月からの社会環境条件は変わらないもののウィルスそのものも変容しているはずであるが、医療現場は平衡状況なのか、これから寒い季節を迎え、これまでのような室内環境の維持は難しくなるなかで、感染は拡大していくだろう。少しずつスペックを変えてはいくが構造フレームにまでドラスティックに影響があるとは思えない。東日本大震災を経ても日本の街並みや求められる建築はさして変わっていないことからそれは明白である。    

  • 2020年10月1日

    2020年10月1日

    例年7月バカンスの時期に開催されるツールドフランスは、9月に行われ大過なく選手たちはシャンゼリゼにゴールした。「連続する7日間に選手・スタッフを含むチーム関係者に2人の陽性が出れば大会から除外」というツーストライクルール、ゴールや沿道への観客制限、およそ500人ほどがフランス各地を滞在移動するわけだから、感染拡大のリスクも大きい。しかし、ニュースで確認できたのは、ツール総合ディレクターの退場復帰のほか、スタッフに何人かの感染である。もちろん観客の検査結果はピックアップされていない。ただ、ツールが大過なく実施されたことで、ヨーロッパのスポーツ界はひとつの好例を得ただろう。オリンピック、フットボールワールドカップ、ツールドフランスがワールドスポーツのなかで、規模、費用、観客数などん観点から三大スポーツと呼ばれている。このままいくと、東京オリンピックも行う気がしてならない。しかし、PCR検査に先立ち、流通してもいないワクチンの市民無償提供がニュースとなる日本で、システマチックなリスクヘッジはできないであろう。自衛しかないのだろうか?